わたしたちは
恋人や、恋愛関係にあるのではないのだから
あなたに会うことを
あなたに関わることを
デートだとか、そんな浮かれた出来事などと
決して勘違いしてはいけないんだと
遥は常にそう理解してきた
それでもときどき
独占欲から寂しくもなり
嫉妬から欲情もし
求めてしまって苦しくもなり
その度に自分の貪欲さを知る
浮かれたことも考えないかといえば
それも嘘になる
それでも
何もかも佐野さんの気まぐれで
遥の意志なんて
有って無いようなものなんだ
それが何だというのだろう
想いを口にすれば後悔し
想いを隠せば、壊れる心
全てを棄ててしまえたら
わたしの何かは変わるのだろうか?
本当は
もっと、我が儘も言えばよかったのかもしれない
もっともっと、ぶつかり合えばよかったのかもしれない
でも
遥はそれを望まない
望まないのは、何も思うことがないのではない
ただ
あなたに与えてもらったモノの大きさに比べたら
遥のそれは、言うに値しないくらいつまらないことで
そんなことは
言うべきことではないと思うだけ
遥は
いつもここにいて
ただひたすら主の帰りをじっと待ってるような
そんな犬のような女でも
それを哀れと思われようが
惨めと思われようが
ただ、あなたの傍にいられれば
佐野さんの存在さえ感じていられれば
遥はそれでいいと思えるから
たとえ尾を丸めた負け犬でも
それでも
伝えたいのだ
理解したいのだ
たとえ声にならずとも
わたしはただ信じてる
信じるまでもなく
何があろうと
誰が、何が、行く手をふさごうと
遥の想いは
進むべき道は
ただひとつ
何もうたがわず
ただ無心に
あなたのそばにいるだけ
心に深く決意したことは、何があっても貫き通そうと決めた
覚悟とは、そういうものだと、あなたが教えてくれたから
あなたは
何に
誰に
翻弄される訳もなく
流される訳もなく
『俺は今までもこうだったし
今もこうだし
これから先も、きっと何も変わらない』
そう言っていた
いつも
いろんな女と関わって
いろんな女を抱いて
いろんな女を虜にし
それでも
『俺は誰のものでもない』
って
そうやって
永遠にわたしを翻弄し続け
どこまでも手の届かないところに居続ける佐野さんであって欲しい
新しく始まる今日からも
佐野さんが佐野さんでいられるように
そんな日々で満たされるように
遥は祈っています
I hope your day is special. 2012 ・ 2 ・ 9